静かに忍び寄るカルトホラー
『Hellkind』は、スペインの不気味な聖域を舞台としたホラーアドベンチャー。プレイヤーは暗い部屋で目を覚まし、“魔女”を呼び出すための儀式の最後のピースとして、その場所を探索していきます。背景には古代のカルト的儀式が存在し、その神秘性と不安感がプレイヤーをじわじわと包み込みます。
ゲームシステムとプレイ感
基本操作はキーボードのWASDによる移動とスペースキーでの調査アクション。
聖域内には白くハイライトされたオブジェクトが点在しており、近づいて調べたり、拾ったりすることが可能。地面や椅子の下などに隠されたアイテムを見つけ出し、点在するメモの内容を読み解きながら用途を推理していく構成です。
パズル要素はありますが、英語がある程度理解できれば進行に問題はありません。戦闘や逃走といったテンポを乱すイベントは存在せず、不気味な空気感を一定に保ったまま静かに進行します。
雰囲気・アート・音響表現
本作の魅力はそのビジュアルデザインと没入感にあります。白黒の粒子で構成された独特なアートスタイルは、恐怖というよりも“異質さ”や“呪術的な美”を強く感じさせます。
また、ナレーションにはスペイン・ガリシア地方の言語であるガリシア語が使われており、土地に根ざした神秘性が作品の芯に通っています。ジャンプスケアは少なく、視覚・聴覚による不安定さでじわじわとプレイヤーの精神を削るタイプの作品です。
開発者と制作背景
開発は、Emir Arkman氏による個人スタジオ「Motamot」。本業は大手ゲームスタジオMaverick GamesでUIアーティストとして活躍する人物で、夜間や週末の時間を使ってこのゲームを制作したとのこと。UIや細かな演出まで高い完成度を誇っており、デザイナーとしての美意識が随所に感じられます。
作品全体にはガリシア地方の伝承、特に「亡霊の行列=サンタ・コンパーニャ」にインスピレーションを得た要素が散りばめられています。
総評
『Hellkind』は、派手さを抑えた短編ホラーADVとして、限られた時間の中でしっかりと異世界への没入体験を提供してくれます。言語の壁は多少あるものの、謎解きや雰囲気を重視した作風のため、英語初級者でも十分に楽しめる作りです。
おすすめポイント
- 神秘的でミニマルなホラー演出が好きな方
- ストーリーや背景設定を想像しながら探索したい人
- 無料で“完成された雰囲気”を味わえる作品を探している方

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